子供向けプログラミング学習ソフト「スクラッチ」というものがあると知って実際に試してみました。
子供にプログラミングとか難しいし、何より子供は楽しめるのか?と最初は思っていたのですが、実際使ってみると確かに子供のプログラミング学習に最適なソフトだなと考えが変わってしまいました。
スクラッチは簡単に・楽しくプログラミングを学べるソフトです!ぜひいろんなお子さんに試してもらいたい、プログラミングの楽しさを学んでほしいと考え、スクラッチのはじめ方や遊び方をこのページで紹介してみました。
Contents
スクラッチの始め方
スクラッチでは公式サイトでプログラミングすることになります。スクラッチを始めるためにはスクラッチのアカウントが必要です。
まず次のアドレスをクリックしてスクラッチの公式サイトに行きましょう。
続いてアカウントを作成します。下図で囲っているScratchに参加するをクリックしましょう!(2つありますがどちらでもOK)
最初にアカウント名とパスワードを設定します。アカウント名は他の人と同じものは使用できないのでユニークな名前を考えてください。
次に入力するのは生年月日と性別と国です。
最後にメールアドレスの入力を行います。
これで一通りのアカウント情報の入力は完了です。
作品の共有やコメントがしたい場合は登録したメールに下図のようなメールが届いていますので「電子メールアドレスの認証」ボタンをクリックしましょう。
これでアカウント作成は完了です!
スクラッチで遊んでみよう
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プログラム作成
画面の上の方の「作る」をクリックすればスクラッチを開始することができます。
Flashが必要ですので開始できない人はFlashをインストールできているか確認してみましょう。
開始できると下記のような画面に映るはずです。
左側に猫くんがいます。スプライトと呼ばれるものでプログラミングすると、この猫がプログラム通りに動いてくれます。
色々試してみましょう。まず画面中央付近のカテゴリを選択するとその下側にあるスクリプト内容が変わることが確認できると思います。
このスクリプトは右側にドラッグ&ドロップすることができます。このスクリプトを右側画面にドラッグ&ドロップする作業が、スクラッチにおけるプログラミングになります。「旗マークがクリックされたとき」をドラッグ&ドロップしてみましょう。
これで「旗マークがクリックされたとき」が右側に配置されます。
続いて「見た目」カテゴリから「Hello!と言う」をドラッグ&ドロップして「旗マークがクリックされたとき」に合体させましょう。
ここで1つポイントを紹介しておきます。各スクリプトには窪みや出っ張りがあります。スクリプトを連続して実行させる場合には、この出っ張りを窪みに合わせて合体させてやることが必要です。
例えば上のようにスクリプトを離してしまうと「旗マークがクリックされたとき」と「Hello!と言う」は別々のプログラムになりますが、下のように窪みと出っ張りをうまく合わせてやると処理が連続して行われるプログラムになります。またスクリプトによっていろいろな形があり、どのスクリプトとどのスクリプトがくっつけられるかは直感的に理解できると思います。
早速この状態で実行してみましょう!「旗マークがクリックされたとき」の部分を実行するためには下の図で囲っている旗マークをクリックしてやれば良いです。ちなみに旗マークの隣の赤いボタンは停止ボタンです。プログラムを止めたいときはこのボタンをクリックしましょう。
すると、猫が「Hello!」と喋りました!
右側画面で作成した「旗マークがクリックされたとき」と「Hello!と言う」のプログラムが実行されたので猫が喋ってくれているのです!
一連のプログラミングは基本的にこのドラッグ&ドロップで行うことができ、何かしらイベントを起こして(上の例では旗マークのクリック)そのプログラムを実行することができます。
他にも色々作ってみました。
簡単に説明すると下記のような動きをします。
- 猫が10度回転
- 猫がニャーと鳴く
- 1拍分停止
- 繰り返しが偶数回目ならば猫がHello!と言い、基数回目ならば猫がHmm…. と考える
- これらを永遠に繰り返し
偶数回目は下のようにHello!と言い、
基数回目は下のようにHmm…と考え込んでくれました。
次に作ったのはこんな感じ。
プログラムの流れは、
- 猫がにゃーと鳴く
- What’s your name?と猫が聞いて待つ
- 名前を入力すると、その名前を猫が喋る
- 3拍分休む
- これらを永遠に繰り返し
実行してみると、猫がにゃーと鳴いた後に私の名前を聞いてきました。
「だえう」と入力すると・・・。
私の名前を呼んでくれました!
ドラッグ&ドロップするだけでプログラミングできるし、何より自分のプログラムで猫がいろんな動きをしてくれるので作っていて楽しいです!
皆さんも是非いろいろドラッグ&ドロップしてみて猫の動きがどう変わるかを楽しんでみてください。
ファイルの保存・読み込み
作成したプログラムは保存することができ、後から読み込んで編集することも可能です。
保存するためにはまず下で囲ったファイル名欄に保存したいファイル名を記入しましょう。
さらにファイルメニューから「直ちに保存」を選択すればファイルが保存できます。
保存したファイルを読み込むにはファイルメニューの「私の作品へ行く」を選択すればOKです。
下のような画面に飛びますので、ここで「中を見る」をクリックすればそのファイルを再編集することができます。
上の画面からファイル名を選択すればそのファイルの再生画面に移ります。また、再生だけでなく使い方などを書いて右上の共有ボタンをクリックすればみんなに自分のプログラムを公開することもできます。
他の人の作品を見る・チュートリアルで学ぶ
トップページの「見る」をクリックすると他の人の作品を見ることができます。他の人の作品を動かすだけでなく、「中を見る」をクリックしてやればプログラムも見ることができます。他の人のアイデアやプログラムを見ることもいい刺激になるとおもいます。どんどん活用して自分の力を伸ばしましょう!
またトップページの「ヒント」をクリックするとチュートリアルを受けながらスクラッチの使い方を学ぶこともできます。ただ私が見たときだとまだチュートリアルやお試しコースは英語版しかありませんでした。英語の勉強には良いのかもしれませんが・・・。いつか日本語版も出てくることを期待しています!
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実際に使ってみた感想
子供にプログラミングを教えるのに最適なソフトだと感じました。自分が小学生の時にスクラッチあったら良かったのに・・・。
論理的思考能力・発想力が鍛えられる
まず良いと思った点は、今後生きて行く上で必要になる論理的思考能力・発想力が鍛えられる点です。
スクラッチでプログラミングを行うための作業は大きく2つです。
1つ目は、「スプライトに何をさせるかを考えること」です。スプライトをどうやって動かせれば他の人を驚かせられるか?何を喋らせれば面白いか?どんな見た目だと人にウケが良いか?これらを考えるときに発想力を鍛えることができます。他の人の作品がすぐ見れるのもスクラッチの良いところですね。他の人のアイデアに刺激されるのも発想力を鍛えるのに良いですし、そこから新たなアイデアを作り出すような発想もできると思います。
2つ目は、1つ目に考えたことを「どうやって実現するかを考えること」です。実現するために何が必要か、それをどうやって組み合わせれば良いかを論理的に考えて行く必要があります。これを行っていく上で論理的思考能力を鍛えることができます。例えば猫に10回にゃーと言わせたいのであれば、「1回にゃーと言わせるロジック」、「10回繰り返すロジック」の2つを組み合わせて「(10回繰り返すロジックの中で1回にゃーと言わせるロジック)を実行させるロジック」を作り出すことが必要です。要はプログラムってロジックの積み重ねで出来上がっているんですよね。なのでプログラミングを行うだけで論理的思考能力を鍛えることができます。プログラミングほどお手軽に論理的思考能力を鍛えられるものって他には無いと思います。
この発想力と論理的思考能力は、別にプログラマーにならなくても、どの分野でも活かしていける能力です。
社会人になれば毎日のようにどうやって課題を解決するか、どうやって新しい価値を生む出すか、を考える必要がありその中で発想力を発揮できます。
また論理的にわかりやすい文章を作成したり話をしたりするためには論理的思考能力が必要です。なのでコミュニケーション能力を磨く上でもこの論理的思考能力を鍛えることは効果的です。また数学の点数も上げられるのではないかと思います。
当然、スクラッチでなくてもC言語やJavaのような本格的なコーディングを行う上でもこれらは鍛えることができます。ただし、子供にいきなりこれらのプログラミングを行わせ、続けさせるのは難しい場合が多いのでは無いかと思います。
簡単にプログラミングを行うことができる
プログラミングを始めるって実は結構大変です。
例えばC言語を例にとると、まずコンパイラというプログラムをコンピュータが実行できる形式に変換するソフトの導入が必要です。これをインストールする必要があります。
また実際のコーディングを行うとなると、プログラムの構文や関数についても理解する必要があります。
例えば私が作った下のプログラムは
C言語で書くと下のようになります(ニャーの音を鳴らすだけ割愛してます)。
#include <stdio.h>
#include <unistd.h>
int main(void){
char name[256];
while(1){
printf("What's your name?");
scanf("%s", name);
printf("%s\n", name);
sleep(3);
}
return 0;
}
プログラミングを全くやったことない人であれば、上の文を見て全く理解できないと思います。
特に子供であれば、includeってなに?whileってなに?printfってなに?この辺りでつまづいてプログラミングを始められない人も出てくるのではないかと思います。一つずつ教えていったとしても子供であれば途中で飽きてしまう可能性も高いと思います。プログラミングの楽しさを知る前にプログラミングに拒絶反応起こさせてしまうと勿体無いですよね。
スクラッチであればこういったプログラムの構文や関数の知識なしにプログラミングを始めることができます。またブロックをドラッグ&ドロップするだけですので視覚的にプログラミングして行くことが可能で、子供にとっては特に楽しみながらプログラムを作っていけるという強みがありますね。
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実行結果で楽しめる
子供にとってはここも大きいと思います。自分が作ったプログラムで猫の動きが変わるのでプログラミングが楽しいです。私が上で書いたプログラムは実行すると画面に文字が表示されるだけです。それに対してスクラッチだと猫が喋ってくれます。プログラムの動きとしては同じなのですが、見え方は全然違いますよね。またプログラムによっては猫を泣かせたり歩かせたりすることもできます。プログラムによってかなり面白い動きもしてくれたりして、子供であればワイワイしながらプログラムとその実行結果を楽しめることができるのではないかとおもいます。普通のプログラム言語の初歩学習では、基本的に文字列を表示したり四則演算したり配列を使ったり、といった実行結果としてはあまり面白くないものを学ぶ必要があり、子供にはとっつきにくい部分がありますが、スクラッチではその辺りをすっ飛ばして実行結果に楽しく反映される部分のみをプログラミングして学習できるのがいいですね。
まとめ
- スクラッチを行うためにはアカウント作成が必要
- 様々なスクリプトのブロックを組み合わせていろんなプログラムを試してみよう
- スクラッチでは論理的思考能力と発想力を鍛えることができる
- プログラミングを簡単に始めることができ、実行結果で楽しむことができるので子供のプログラミング学習には最適なソフト