最初にですが、私は情報系の大学を卒業しており、基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験(AP)、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)に合格したことがあります。
基本情報技術者試験を最後に受けたのは6年くらい前だと思います。受けたときは大学出て会社の研修などを受けたすぐ後だったので割と勉強せずに合格できた覚えがあります。正直最近では全く勉強などしなくなったので知識など落ちてきていると思うのですが、それでも今でも無勉で合格する自信があります。
なぜかというと基本情報技術者試験ってそんなに敷居高いものじゃないと思うんですよね。その理由をまず説明し、対策のポイントについて説明していこうと思います。
Contents
基本情報技術者試験合格が簡単な理由
合格点
ここが一番のポイントで、合格基準点は60点となっています。
しかも全て選択式であり、午前は全て4択の問題になっています。
なので勘だけで選択肢を選んだとしても結構な点が期待できます。
例えば自信を持って回答ができたものが半分で、残りは全て勘で選んだとしても62点(50点+50点×1/4)が期待値となり、合格基準に達します。なので出題範囲の半分だけしっかり理解おけば合格は十分できる可能性があります。あとで説明する消去法を使えばもっと合格は近づきます。
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問題が親切
特に午後の問題に言えることなのですが、とにかく問題文が長いです。
ですが、この問題文がかなり親切に作られています。応用的な技術が出てくる場合にはその説明をしてくれますし、問題の中でどう言ったものを作ろうとしているかをしっかり説明してくれます。
なので基本的な知識さえあれば、問題文をしっかり読み、しっかり考えれば答えを導き出すことができる問題が多いです。
参考書が充実
有名な国家試験であり、受験者数も多いこともあって対策用の参考書や問題集が充実しています。
なので自分のレベルややりやすさに合った参考書を選んで勉強することができます。もちろん今まで情報系の勉強したことないような人向けの参考書も充実していますよ。午前対策と午後対策でオススメ参考書を記載していますのでぜひ参考にしてください。
とは言え壁はある。合格のポイントは?
簡単と言っておきながらも最低限下記のことは実践・心がけることが必要だと思います。
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基礎知識をつける
基礎知識がないと午前・午後ともに太刀打ちできないです。せめて参考書1冊は読破して最低限の知識は身につけておきましょう。
アルゴリズム・プログラミング対策
ここは今までプログラミングをやったことがない人には鬼門です。
アルゴリズム+プログラミングだけで午後の40点分を占めています。完全に諦めて解答欄を勘で埋めて運に頼る方法もあります。ただここは問題をしっかり読み、論理的に回答を導く力があれば、どんな問題が出たとしても高得点を狙える分野でもあります。なので時間があるのであればここはしっかり対策を行い、本番ではここで点数を稼ぐ路線の方が安全だと思っています。
(2019/2/17追記)
2020年からの基本情報技術者試験の出題見直しによりアルゴリズム+プログラミングの配点が50点となります。詳しくは下記のページを参照してください。
基本情報技術者試験が出題を見直し!さらにアルゴリズムとプログラミングが重要に!試験のテクニックを身につける
試験のテクニックというと大げさかもしれませんが、心がけるべきことがあります。割と当たり前のように思う事ばかりかもしれませんが、重要な事なので再度頭に入れておきましょう。
問題をよく読む
基本情報技術者試験の、特に午後問題は文章問題といっても過言ではないです。基礎知識+文章を読む力が重要です。逆に、問題文にヒントがあり、問題をしっかり読んで考えれば基礎知識だけで解くことのできる問題がたくさんあります。問題文が長く試験時間も限られていますが、しっかり問題を読むことだけは実践するようにしましょう。
分からない問題は消去法で回答する
基本的なことなのですが一応挙げておきます。上でも説明したように選択問題ばかりなので勘でいいので埋めておけば正解する可能性があります。特に午前は4択問題のみなので4分の1で当たります。わからない問題でも必ず回答欄は埋めましょう。
また、正解が分からなくても、選択肢の中で「これは違うだろ!」という回答もあると思います。そういう選択肢を消去し、残った選択肢の中から回答を選ぶようにしましょう。例えば選択肢を2つ消去できれば勘で選んでも2分の1で正解することができます。この消去法を行うだけで点数がグッと上がりますよ!
実践になれておく
ぶっつけ本番だと時間配分や問題の雰囲気が分からないので本番で焦ってしまう可能性が高いです。過去問解いて実戦に慣れておきましょう。
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午前対策の仕方とオススメ参考書
午前の問題に要求されるのは情報に関する広い知識です。ただ問題自体は基礎知識があればスイスイ解いていけます。分からない問題は消去法で選択するようにしておけば合格点は取れます。
午前対策としてオススメの参考書は「キタミ式イラストIT塾」と「ニュースペックテキスト」です。内容は同じようなものですが、イラストの量やページ構成などが異なりますので自分に合ったものを選びましょう。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者(PR)
ポイント①:イラストが多い
とにかくイラストが多い参考書です。本の7割くらいがイラストです。絵を見て直感的に理解することができます。また直感的に理解することができますので理解のスピードも速いです。イラストを見てすぐ内容を思い出すこともできますので、復習をする上でもこの本はオススメです。
ポイント②:内容も基本情報技術者試験を受ける分には十分
イラストが多い分、内容が薄くなっているのでは?と私は最初思っていたのですが、基本情報技術者試験を受ける分には十分な内容の濃さになっていると思います。ただその分本がかなり分厚いですw 結構レビューで網羅性が足りないと書かれているのですが、私はアルゴリズムとプログラミング以外についてはこの本で十分だと思ってます。なぜなら基本情報技術者試験は満点取る必要はないからです。60点取れれば合格できますので。なのでこの本は基本情報技術者試験を受ける上では十分な内容の参考書だと思います。
ニュースペックテキスト 基本情報技術者(PR)
ポイント①:TACが出版
資格取得の学校として有名なTACが出版している参考書です。
ポイント②:ここが大事!30秒レクチャー
節の初めに「ここが大事!30秒レクチャー」でそのページの要点を簡潔に説明してくれるので、そのあとの内容が頭に入って来やすいです。
ポイント③:重要度
各節に対して重要度を示してくれているので、どこに力を入れれば良いかもわかりやすいです。キタミ式に比べると図は少ないですが、文章で理解する方が得意という方はこちらのニュースペックテキストの方がオススメです。内容的にはどちらも同じ感じなので自分にあった方を購入しましょう。
身につけた知識の確認・足りない知識の補充は過去問題集を解いて行うのが効率的です。オススメは「パーフェクトラーニング過去問題集」です。
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基本情報技術者パーフェクトラーニング過去問題集(PR)
ポイント①:解説が充実
時間的効率性を考えると、必ず過去問題集は買っておいた方が良いと思います。
過去問自体は前述の通り IPA のサイトで見ることはできますが、肝心の解説がついておらず、どの選択肢が正解であるかどうかしか分かりません。
その一方で、パーフェクトラーニング過去問題集 のような過去問題集では、選択肢が正解である理由はもちろんのこと、他の選択肢に対する解説もついています。なので、1問分の解説を読むだけで4つの選択肢全ての意味合いを復習することができます。
特に、この問題集はその解説が充実しており分かりやすいです。
ポイント②:問題の直後に解説
また問題に続いてすぐ解説が載っているので知識や理解が不安な問題が出た時にその解説をすぐ読むことができます。問題に慣れるだけでなく、足りない知識を補充することもできるオススメの一冊です。本の表紙にも書いてある通り、売上連続第一位の過去問であり、人気の過去問題集になっています。
午後対策の仕方とオススメ参考書
午後も基本的に基礎知識があれば解ける問題ばかりだと思います。ただし、問題文をしっかり読み、基礎知識を生かしてしっかり考えて正解を導いてやる必要のある問題が多いです。知識だけでなく考える力を要求されるのが午後の問題です。問題文を読んだり考える力に自信がない人は過去問をこなしてこれらに慣れておいたほうが良いと思います。
選択問題
問2〜問7は選択式で、下記の6問の中から4問を選択して解く必要があります。
出題される分野は様々ですが、過去問を見た感じだと、ソフトウェアとハードウェアはどちらか一方のみ出題され、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計、マネジメント系、戦略系は毎回出題、といった傾向が強そうです。どれがオススメか一概に答えるのは難しいですね。人によって違うと思います。一応オススメは下記に書いていますが・・・。ただデータベースは基礎知識あれば簡単な問題が多いイメージです。問題を最初にざっとみて、基礎知識が不足して解けない問題は諦め、解けそうなものから潰していきましょう。
ソフトウェア or ハードウェア
情報系学んできた人にオススメ。問題の難易度は回によってばらつきが強いが、問題文をよく読めば解けるはず。
データベース
データベースの基礎知識ない状態で問題読んだら意味不明な問題。ただし、SQLの知識があれば簡単。問題も安定しているので全員にオススメ。
ネットワーク
情報系学んできた人にはオススメ。基礎知識があればこれも問題をよく読めばわかるはず。
ソフトウェア設計
実際のソフトウェア開発に携わっている人にオススメ。オブジェクト指向なんかを知っている人にもオススメ。ただ問題文が長い傾向にあるので問題を読む力は重要。逆に問題をしっかり読めれば誰にでも解けるはず。
マネジメント系・戦略系
情報系学んできてない人にオススメ。情報系学んできた人でもここは勉強していない人も多いはず。
問1から問7に関しては、前述の「キタミ式イラストIT塾」や「ニュースペックテキスト」で知識を身につけ、過去問題集で問題の読み方、考え方を身につけるのが良い対策方法だと思います。
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アルゴリズム・プログラミング
アルゴリズムは必須問題で、プログラムに関しては、C、Python、Java、アセンブラ、表計算の中から1つ選択です。
アセンブラ以外は実際に使用している人も多いと思いますので、実際に使用しているプログラミング言語を選択するのが無難だと思います。
下記ページでも解説していますが、試験の問題としてはアセンブラが意外と簡単です。余裕があるのであれば、2つ目のプログラミング言語としてアセンブラを選択するのもオススメです。
基本情報技術者試験のプログラミングで一番簡単なのは?アセンブラに関しては下記の「プログラミング入門 CASL2」がオススメです(CASL2というのは基本情報技術者試験問題用のアセンブリ言語です)。
プログラミング入門 CASL2(PR)
ポイント①:プログラミング未経験でも読める
CASL2の参考書自体が少ないので選択肢も少ないのですが、その中でも一番わかりやすいと思ったのがこの本です。説明が丁寧ですし、初めてプログラミングに触れる方にも分かりやすく詳しく解説してくれます。
ポイント②:コンピュータの知識も身に付く
またCASL2では他のプログラミング言語に比較してコンピュータの知識がより必要になります。そのコンピュータの知識と絡ませてCASL2の説明をしてくれますので、コンピュータの知識をつけたい方にもオススメの本です。どうやってプログラムが動いているかがイメージしやすくなると思いますし、午前問題の対策にもなります。
アルゴリズムに関しては下記の「明解シリーズ」でC言語やJavaで実際にプログラムを見ながら学ぶのが良いと思います。
新・明解 Javaで学ぶアルゴリズムとデータ構造(PR)
新・明解 C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造(PR)
ポイント①:実際にC言語やJavaのプログラムで学べる
基本情報技術者試験用の参考書ではないですが、「新・明解 Javaで学ぶアルゴリズムとデータ構造」はJavaを使って、「新・明解 C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造」はC言語を使ってアルゴリズムとデータ構造について学ぶことができる参考書です。
実際のプログラムを読んでプログラムを読む力を付けたり、自分でアルゴリズムを考えてプログラミングしたりと、実践しながら学べるのでオススメです。
ポイント②:アルゴリズムとデータ構造の基本知識が身につく
基本情報技術者試験ではソートや検索などの問題が過去多く出題されており、この本でその基礎知識をつけることができます。
ただ基本知識を付けてもそのまま出題されることはほぼあり得ませんので、知識をつけるよりかは、ポイント①で述べたようにプログラムを読んだり自分で考えることの方が重要だと思います。
注意点:プログラミング初心者向けではない
いわゆる”Hello World”を画面に表示してみましょう!といった初歩の初歩からC言語やJavaを解説してくれる本ではありません。C言語やJavaの基本的な文法やプログラミングの仕方を既に知っている人向けの本になります。もしC言語やJavaを基礎から学びたいという方は、下記のような入門本をまず読むことをオススメします。
スッキリわかるC言語入門(PR)
スッキリわかるJava入門(PR)
試験中のポイント
午前はとにかく分かる問題からスイスイ解いて行きましょう。分からない問題はとりあえず飛ばします。
マークの付け間違いには注意です!
とりあえず1通り問題解き終わったら、次は分からなかった問題に手をつけます。
考えてみて、やっぱり分からないようであれば消去法を使ってありえない選択肢を削除し、残った選択肢から勘でマークをつけましょう!
CBT 形式になったことで問題を飛ばすことができなくなった可能性があるので注意してください
CBT 形式の試験を受験した際にまた記事を更新させていただきます
午後は問題をしっかり読み、しっかり考えて解きましょう。時間との戦いもありますが、焦りは禁物です。時間が足りなくなりそうであれば埋まってない選択肢をとにかく埋めておきましょう。
まとめ
基本情報技術者試験は基礎知識さえあれば、あとは問題を読む力と論理的に考える力で得点を稼ぐことが可能です。
合格点も低く合格率自体もそこまで低くない国家試験ですので、難しそうと考えて敬遠するのではなく、是非受験してみることをオススメします。